今回は、少し息抜きを兼ねて絵本です。私に本を勧めてくれた方が少し前に読んだと話していて、私も子どもの頃、たしかNHK教育テレビだったと思うのですが、この絵本の読み語りをやっているのを見た記憶があり、この本を手にとってみました。
100万回生きたねこ (講談社の創作絵本) 講談社 (1977/10/19)
佐野 洋子 (著)
主な内容
一匹のとらねこが、100万回死んで100万回生きたというお話になっています。いろんな飼い主の下で飼われていて、そのいくつかの話が書かれているのが印象的です。児童書ですが死んだ話が並んでいて、ある意味大人向けでもあるのかもしれません。
感じたこと
子供向けの絵本にしては、若干残酷な描写が多く含まれている印象です。ですが、だからといってそういった描写に抵抗感が出ないように描かれているので、すごく感心させられます。自分にとって「大切なもの」とは何か、人生とは何かを考えさせられる作品で、大人向けの絵本だなぁと強く感じます。
終わりに
子どもの頃この本の読み語りを聴いて、死に対する意味を考えるようになった記憶があります。私は育った環境がやや特殊だったため、この猫のように死ねば人生をやり直せるのだろうか?と、当時子供心に真剣に悩んでいました。ですが大人になって読み返してみると、人生は一度きりでその中で何かを見つけていくものなのかなと改めて考えさせられました。大人でもこの本から伝わってくるものを十分に感じ取れるすばらしい作品だと思います。